日本料理と水の相性
2021年10月7日
はじめに
日本料理と水の相性 1
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) September 29, 2021
出汁を取ったり、うどんやそばを打っていると『水』について何度も考えさせられます。
あまりにも身近にある材料なので、レシピでは『水』としか書いてないことが多いですが、使う水の硬度やpHで味が大きく変わります。
改めて水について調べてみることにしました。 pic.twitter.com/yZTApKVsHA
軟水と硬水の硬度
日本料理と水の相性 2
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) September 29, 2021
一般的に日本料理に使う水は『軟水』が良いとされています。
以前、だしを取るのに軟水、硬水、純水どんな水がよいか調べたところ、精密工業などで使う純水を使ってだしを引いたら普通より1.5倍の濃度のだしが取れたそうです。https://t.co/9S2NeLvEkC
日本料理と水の相性 3
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) September 30, 2021
水の硬度とは、水の中に含まれいるカルシウムとマグネシウムの質量です。
硬度が低いと「軟水」、高いと「硬水」と呼びます。
※WHO基準
軟水
軟 水 0~60mg/ℓ未満
中硬水60~120mg/ℓ未満
硬水
硬 水120~180mg/ℓ未満
超硬水180mg/ℓ以上
日本料理と水の相性 4
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) September 30, 2021
カルシウムとマグネシウムを多く含む水(硬水)の主な特徴は、重たい飲み口や苦みなどです。
園芸店で見かける苦土石灰の『苦土』は、マグネシウムのことです。またにがり(苦汁)は、塩化マグネシウムが主な成分です。
マグネシウムは苦いのです。
日本料理と水の相性 5
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 2, 2021
にがり(苦汁)は、豆乳を豆腐に変える凝固剤としてよく知られていますが、その成分のマグネシウムやカルシウムは、たんぱく質と反応して凝固する性質があります。
マグネシウムやカルシウムを多く含む水で麺を打つと小麦粉のたんぱく質と反応して食感がボソボソになります。
軟水と硬水のpH
日本料理と水の相性 6
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 2, 2021
酸性やアルカリ性の強い水はたんぱく質と反応するので、日本料理と相性のよい水のpH(ペーハー)は、弱酸性(5~6)と言われています。
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酸性 中性 アルカリ
pHが7であれば中性、7より小さい時は酸性で、7より大きい時はアルカリ性。
日本料理と水の相性 7
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 2, 2021
アルカリ性の強いお湯で麺を茹でると麺表面のグルテンの結合が弱くなり、ボロボロになって煮崩れを起こし、のびやすい麺になってしまいます。
食材を柔らかくする作用がアルカリ性の水にはあるので、肉料理とか肉の出汁をとるときなどは良さそう。
日本料理と水の相性 8
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 3, 2021
水のpHが常温で中性でも、麺を茹でる際沸騰させるとアルカリ性に変化する場合があります。
水に含まれている重炭酸塩が加熱されると炭酸ガスを放出してphが上昇し強いアルカリ性となるようです。
水を沸騰させるとpHが1前後高くなるようなので、気をつける必要があります
日本料理と水の相性 9
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 3, 2021
人の肌は弱酸性なので、弱酸性の水で肌を洗うと良いと言われます。
同様に、生うどんのpHは6くらいなので 、水のpHも5.5~6になるように茹でた時が 茹で溶けが最も少ないようです。
水道水の県別平均硬度とpH
日本料理と水の相性 10
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 5, 2021
ソフトウォータークラブのHPによると、水道水の県別平均硬度は次のとおり(抜粋)。
沖縄84 千葉81 東京65 栃木50 京都42 北海道32 富山30 山形27 愛知26※単位㎎/ℓ
出汁や麺に使う水は硬度30㎎/ℓ以下が望ましいと言われている。https://t.co/jZzg0PTuue
日本料理と水の相性 11
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 5, 2021
水道水は消毒のため塩素を使っていたり、水道管が腐食しないよう少しアルカリ性の傾向らしい。
水道水の水質基準はpH5.8~8.6の間ということなので一概には言えないが、麺が茹で溶けたりする傾向があるとしたら、アルカリ性の水道水のせいかもしれない。
水のpH調整と梅干し
日本料理と水の相性 12
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 6, 2021
うどんをゆでる時、茹で湯にクエン酸やリンゴ酸などを含むPH調整剤を入れ、弱酸性にしてから茹でると煮崩れの少ない綺麗な肌のうどんになるそうです。
※PH調整剤の効果
麺の肌荒れ防止
茹で湯の濁り防止
歩留り(玉取り)向上
茹でるだけで日持ち向上
日本料理と水の相性 13
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 6, 2021
「うどんの茹で湯に梅干しを入れよ」という昔からの口伝は、梅干しに含まれるクエン酸を加える事によってアルカリ性を中和し、茹で湯を弱酸性にする為の古人の知恵だそうです。
そばの場合は茹で湯を飲むので、梅干しを入れるのは少し違和感があります。
まとめ
シンプルな料理ほど水の影響が大きいと思います。
出汁取り、お茶、コーヒー、料理など用途に合った良質な水が身近にあるのは幸せなことです。
幸せを逃さないようにしたいものです。
番外
日本料理と水の相性 番外
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) September 30, 2021
近所の山から美味しい水が出ているという噂を聞きつけて現地に行ってきました。保健所で検査済らしく問題なく飲めるようです。
味はさらりとして特に違和感なく美味しいです。この水でうどんやそばを茹でてみようと思います。もしかすると地元で秘密の穴場かも。 pic.twitter.com/zHLphJqLhf
日本料理と水の相性 番外
— カネチョク@農家の十割蕎麦、餅、パンなどをお取り寄せ (@kanechoku) October 3, 2021
中華麺は、かん水というアルカリ塩水溶液を添加しており主な成分は炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなどです。
かん水を使うとあの中華麺独特の『弾力』や『のび』が増し黄色い色や味、食感になります。
中華麺を茹でるお湯のpHは、どのくらいが適切なのか気になります。
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