のり餅に入れる「青のり」と「あおさ」の違いについて調べてみました
自家製のり餅に入れる青のりがなくなったので買いに出かけたのですが、近所のスーパーでは中国産しか売っておりませんでした。
年末で青のりの需要が多いこともあるのですが、青のり生産高が近年ますます減少傾向にあるようです。
国産のりの販売店について情報を仕入れたところ、宇都宮市の問屋町にある「小林海苔」になんとか在庫があるとのことで、年末分の青のり(三河産)を調達することができました。
注文するときに「青のりですかか?あおさですか?」と聞かれ「もちに入れるほうです。一キロください。」とお願いしました。
何となく買っている「青のり」と「あおさ」の違いについて自分の中で整理するため調べてみました。
「青のり」と「あおさ」の違いについて
まずは見た目の違いですが、青のりは糸状、あおさは葉っぱ状となります。
青のりとあおさの違いを表にすると下のようになります。
形状 | 香 | 値段 | 品種(緑藻類) | 原材料名表示 | |
---|---|---|---|---|---|
青のり | 糸状 | 高い | 高級品 | アオサ目ヒトエグサ科ヒトエグサ属 | シワヒトエグサ ウスバアオノリ スジアオノリ ボウアオノリ ヒラアオノリ 青のり すじ青のり |
あおさ | 葉っぱ状 | 青のりより劣る | 青のりより安い | アオサ目アオサ科アオサ属 | オオアオサ アナアオサ あなあおさ |
品種で見分けるとしたら青のりは「ヒトエグサ科」、あおさは「アオサ科」ですが、最高級品の四万十川の青のりはアオサ目アオサ科アオノリ属の「スジアオノリ」です。「アオサ科」なのに青のりなので大変分かりづらい。
図解して整理してみますと
まぎらわしいことに「青のり」と「あおさ」の呼称は地方によって違い、ヒトエグサが「あおさ」と呼ばれたり、アオサが「青のり」と呼ばれることもあるそうです。
整理した内容をもとに今回小林海苔で買った原材料名を見てみますと
原材料名は「あなあおさ(国産)」ですので「あおさ」と判明しました。
「青のり」と「あおさ」の値段比較
「青のり」と「あおさ」の値段を比較しますと下の表のようになります。
内容量 | 値段(税抜) | 品種 | 産地 | 販売店 | |
---|---|---|---|---|---|
あおさ | 500g | 1,490円 | あなあおさ | 三河湾 | (株)小林海苔 |
青のり(海) | 10g | 770円 | ウスバアオノリ | 瀬戸内 | 富澤商店 |
青のり(川) | 1,000g | 32,400円 | すじ青のり | 徳島県吉野川 | 四国海苔(株) |
単純な比較はできませんが、あおさの値段の約10倍が、青のりの値段となります。
まとめ
簡単に言うと 「青のり」の方が「あおさ」より香や味、値段で勝っています。 値段が高いものが青のりで,そうでないものはあおさと覚えれば、だいたい間違いないと思います。
番外( 中国産の「あおさ」について)
中国産のあおさについてネット検索してみたところ、2008年8月2日の朝日新聞で、中国が青島沿岸に大量に漂着した藻を韓国に輸出するという記事が下のとおり掲載されていました。
「 五輪会場に大量漂着の藻はアオノリ、韓国に輸出へ」
北京五輪のセーリング会場となる中国山東省青島の沿岸に大量に漂着した藻について、青島市共産党委員会は2日、正体はアオノリだったとして、韓国に輸出することを明らかにした。 市党委宣伝部の王海濤副部長は北京での記者会見で「大部分は埋めて処理した。しかし、日本や韓国では食品として親しまれており、試験的に韓国に輸出する」と述べた。地元紙によると、大規模工場を造り本格的に輸出する動きもあるという。
また、ウィキペディアでは、「富栄養化などが原因で大量繁殖し緑潮として沿岸に漂着したアオサは、砂や泥にまみれ腐敗が始まっている」と下のとおり書いてあります。
食用養殖のアオサや海中繁殖のアオサとは別に、富栄養化などが原因で大量繁殖し緑潮として沿岸に漂着する伝統的アオサの食用化も試みられている。ただし漂着した時点で砂や泥にまみれ、また腐敗が始っているため、漂着前に海上で回収したものの方が食用に適している。
砂や泥,工業排水、生活排水まみれで腐りかけて匂いがあるアオサを輸出していないことを願います。
いろいろ調べると安心して食べられるものが減ってしまいます。
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