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そばのかえしの作り方

2020年2月19日

「かえし」は「煮返す」が語源といわれ、醤油と砂糖と味醂を混ぜて加熱し冷まして寝かしたものです。

レシピは簡単ですが、醤油・砂糖・味醂の種類や量、加熱温度、寝かせる日数など違えば、一口に「かえし」と言われても味は微妙に異なります。

レシピは次の通りです。百数十人分ですのでご注意ください。

今回の材料(本膳、九重櫻、島ザラメ)
今回の材料(本膳、九重櫻、島ザラメ)
  内容 メーカー 量割合
1 醤油ヒゲタ本膳3600㏄10
2 味醂九重櫻 1080cc
※重さは1229g
3
3 砂糖島ザラメ 360g 1

注意点は、醤油や砂糖を焦がさないことです。醤油は焦がすと急激に色がきたなくなりますので表面温度85度(内部80度)以内にします。砂糖も焦げるとカルメラ臭がして蕎麦の香りが負けてしまいます。醤油や砂糖を焦がさない作り方は次のとおりとなります。

 内容時間注意点
味醂を加熱しアルコール分をよくとばす(火をつけて消えるまで)。よくとばさないとアルコール臭が残ります。中火で6分で沸騰、火をつけて約2分燃える。フランペなど火をつけるときは勢いよく火が上がります。髪の毛など燃えないよう気を付けてください。
加熱をやめて砂糖を少量づつ入れながら溶かします。砂糖を入れたら絶対に焦がさない。
醤油を入れて表面温度85度まで加熱する。膜ができ小さな泡がはじけ始める頃です。中火で30分ほどで約85°になる。醤油を入れたら絶対に焦がさない。※焦がしたらお餅や煮物などに使えます。
粗熱がとれたらホーローへ移し5~20日寝かします。
かえし作りに必要なもの
かえし作りに必要な道具など

かえしの作り方の動画はこちらです。

かえしが冷えたらホーローや甕などの容器に入れて冷暗所に寝かします。蕎麦屋はかえしは少なくとも5日は寝かしたいし2週間くらいで使い切ってしまいたいそうです。

確かに半年ぐらい経ったかえしは醤油の劣化した臭いがします。私の場合は20日~40日で使い切ります。かえしをなぜ作るかといいますと醤油の角をとり、まろやかにするためです。私の感覚では5日ではまだ角がある感じがします。

このかえしのレシピは上質な味醂で甘みを出す方法です。味醂にはデキストリンという物質含まれており、粘着力が強く糊のような働きをするため、蕎麦によく”ひっかかる”のです。

鰻や焼き鳥のたれにポタポタたれないよう味醂が使われているのはそのためです。味醂を一升(1.8リットル)入れると砂糖を500gほどよけいに入れたことになります。