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初めてのそば包丁の選び方

2021年9月1日

初めてそば包丁を購入しようと検討している方は、どのような包丁を選べばよいか悩むところですし楽しいところでもあります。私の場合はどうだったかまとめてみます。

私のそば包丁の紹介

私のそば包丁

私のそば包丁を紹介します。宇都宮の老舗刃物屋さんで十数年前に7~8万円で購入しました。持ち手は普段紐が巻いてあるのですが洗濯のため外してあります。刃の長さは33㎝、重さは1,117g、青紙2号という鋼鉄を使っています。

そば包丁の長さの選び方

私の使用しているそば包丁は尺1と呼ばれる長さです。昔話に出てくる一寸法師の一寸は3.03cmですので、尺1の包丁というと約33cmとなります。

私が1回に打つ量は1.5kg程度ですが、今まで十数年間で刃渡33cmで足りないなと感じたことはありません。むしろ親にプレゼントした刃渡30cmの包丁のほうがちょうどいい長さです。下の表のように1寸刻みで長くなります。

 刃渡
9寸27cm
尺(10寸)30cm
尺1(11寸)
33cm
尺2(12寸)36cm

そば包丁の刃渡りの長さですが、本職でも尺1あれば不足を感じることないでしょうし見た目も重要ですので個人的には尺1をおすすめします。

そば包丁の重さの選び方

初めて自分の包丁を計ってみたところ、重さは約1.1㎏でした。 私は「包丁の重さを利用して切る」やり方なので1㎏程度は必要です。 茹で上がりを均一にするため麺を同じ太さで切るためには、まな板に垂直に包丁を落としていかなければなりません。重い包丁だと感覚がつかみやすいですが軽い包丁だと力で切りたくなります。例えば 、ゴルフクラブを振るにしてもヘッドの重みを感じながら振るのと力で手打ちするのとでは軌道が違います。ブレなくて最小限の軌道の切り方を体で覚えるようにします。

包丁の重みを感じながらまな板に垂直に包丁を落とすと自然に生地に食い込み、ちょっとだけ前方に押し気味に切ります。包丁の刃はとても細かいノコギリのような状態ですので理論的には押したりして切れるようになっています。

そば包丁の鋼の選び方

そば包丁は値段の高い順に青紙(あおかみ)、白紙(しろかみ)、黄紙(きがみ)となります。これは切れ味の順番でなく素材の値段の高い順になります。なんで「紙」なのかというと鋼を作っている日立金属で鋼を区分するため青や白や黄色の紙を貼っていたためらしいです。お店では「尺一青二鋼黒打ち」など表示されています。

一日中魚をさばいているプロなどは切れ味が悪くなったからといって仕事の途中で包丁を研ぎなおすことが難しいため、いったん刃がつけば長く切れ味が持続する青紙の包丁を使用することが多いです。一般的に単純に切れ味を重視するなら白紙となります。

よく研いであるそば包丁は大変切れ味がするどく、まな板にくいこむのでむしろ切りにくくなります。藤村和夫著「そばしょくにんのこころえ」のなかで、「そばがよく切れ、しかもまな板にくいこまない程度に、という切れ味の調整は、やはり名人芸であったに違いありません。」と記載があります。

まとめ

自分の経験から包丁の選び方をまとめてみましたが、結局のところ包丁が研げてきちんとメンテナンスできる店で多少金額が高くても購入したほうが後々のことを考えるとよいです。いろいろとアドバイスをもらいそして自分で調べたりしてみると楽しいと思います。

プロの包丁の研ぎ師でもそば包丁の刃をちゃんと直線で研げない人がいますので注意してください。私も知人も酷い研ぎ師に当たったことがあります。