カネチョク(金子直売店)のショップに移動します

そばの汁取り(湯煎でつかう土たんぽ)

2020年1月20日

市販のそばつゆが甘すぎてベタベタするので、自分の好みのそばつゆを作るようになりましたが「土たんぽ(どろたんぽ)」という湯煎する道具を使うと格段にまろやかになります。ステンレス製などのたんぽは金属臭くなってしまうので陶器製を使用します。藤村和夫著「そばしょくにんのこころえ」から引用しながら土たんぽの技術についてまとめてみます。

土たんぽ

土たんぽで湯煎
土たんぽ

陶器製の湯煎用の道具で、写真のものは8ℓつゆが入ります。宇都宮卸売市場の「アオショー」さんで取り寄せてもらいました。24ℓお湯を寸胴鍋に入れて、植木鉢用の針金の台で土たんぽを浮かすとちょうどつゆとお湯の高さが一致します。アオショーさんいわく「金属より陶器製のたんぽがよく、たんぽを鍋の底にくっつかないように少し浮かせて湯煎するとよい」そうです。

針金の台
土たんぽを浮かす台

早速、藤村和夫著「そばしょくにんのこころえ」から引用してみます。

土たんぽ(どろたんぽ)に汲みこまれた汁は、一度完全にさましてから、再度熱湯で湯煎されてから使います。土たんぽをすると紙一重どころかぐっとおいしくなります。

辛汁(もり汁)は、できあがったものをすぐお客様に出してはいけないことになっています。翌日売りのものは午後取り、大かめに入れられて一晩手をつけずに静かに寝かせ、自然にさまします。すると、五パーセントくらい目減りし、色も赤紫からべっこう色に変わり、舌を刺すような味が消えてなくなります。

翌朝、この汁をたんぽに静かに汲み込みよく沸いた釜か前銅壺につけるか、または寸胴に熱湯をはったものに沈め、沸かし続けながら四〇分から一時間以上湯煎します。汁の表面に、白いポチポチが筋を引くようになったら出来上がりです。湯から引き上げ、自然にさまします。

また、「熱い汁をぬるい湯につけると汁を傷めるので、汁は冷ましてからたんぽする。」、「たんぽの底が鍋の底にぴったりと付いてしまう場合は、木で十文字の底板などを作ってたんぽの下にいれ直火にならないようにする」、「”たんぽ”は金物ではいけない。金物でやった汁ものの味はどうも舌へ強く当たる。”どろたんぽ”に限る」とあります。

この土たんぽは、使用後よく水洗いしてから、ほこりが入らぬように伏せて置きます。べったりと置かず板などを片方に当てがって中の空気が変わるようにしておかないと、いやな臭いがついてしまいます。

まとめ

今回作ったつゆを「土たんぽ」と「金物の鍋」でそれぞれ湯煎して比較してみたのですが、「金物の鍋」のほうは少し金属の味がして固い感じがしました。比較してみないと分かりにくいですが、そば通の人は見抜いてしまうでしょう。

湯煎する前のつゆは寸胴鍋のなかで一晩寝かしていますが、「そばしょくにんのこころえ」を参考にすると、土たんぽに入れて一晩寝かしたほうが良いようです。陶器製のたんぽは金属くさくならないのはあたり前ですが、何か余計な成分を吸い取ってくれるのか仕上がりが格段に違います。かえしを作るときも陶器製のつぼで作ったもののほうが仕上がりが良い気がします。