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そばのゆで方(片倉康雄さんの言葉を抜粋)

2020年2月17日

「一茶庵友蕎子片倉康雄 手打ちそばの技術」という本のなかで、そばのゆで方が書いてありますので抜粋します。

「そばのでんぷん質の味わいを生かし、そば切りの感触を生かすためにはアルファー化への変化をできるだけ短時間におこなわなくてはならない。それには釜に入れたそばの全部に一度に起こる必要がある。沸騰する湯の勢いはそばをいれても衰えず、湯に落ちるやいなやそばが踊ってたちまちゆだるという状態である。」

「釜の能力をみる為に水の分量を八分目程度にとどめる。最大の火力で沸騰を続ける湯の中に何人前かのそばを入れてみる。それで湯の勢いの静まらぬ範囲がその釜の能力である。一度入れてよいそばの量は随分限られてくるであろう。」

「そばを釜に入れて踊る場合は表面がさらっとした状態にゆだるのに対し、釜に沈む時間が長くなると表面がべとついてしまう。そして釜で粘ついたものは、あとでどう処理しようともシャキッとさせるのは難しい。そばの味を殺さぬようにゆでるには、釜の能力を超える分量のそばを一度に入れないということになる。」

片倉さんの言葉を参考にすると、ご家庭でそばをゆでるときは、できるだけ大きな鍋を使い八分目くらいに水を入れて、最強の火力でグラグラ沸騰してからそばを入れて、蓋をするなどして水の温度をできるだけ下げないことがポイントのようです。「うちにはそんな大きな鍋はないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。昔はそばをゆでるだけの専門の職人さん(下釜、釜前)がいたそうです。そばのゆで方は奥が深いです。